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エジプト騒乱に関連して

チュニジアで民衆の反乱から独裁者が追放された事件に続き、エジプトで同じような民衆による運動が起こっている。

事件の位置づけや、今後の予想について、書くべきことはない。

ここでは、この事件に関連したスパイのうんちくのようなものを二つ記す。
(それも、私が知っている範囲であり、一部の人には周知のことであろうが)

一つは、副大統領に指名された「オマル・スレイマン」氏。
大きく報道されたように、彼は1993年から17年間、エジプト情報機関GID(アル・ムクハバラト・アル・アンマ)の長官を務めてきた。
一部に彼を「市民に恐怖された秘密警察の長官」と表現した報道があった。
しかし、大統領直属のGIDは対外情報機関であり(国内でも活動を行うが、情報収集と対テロ工作が主任務)、国内の取締りを担当するのは内務省の国家治安局である。
この点は、おそらく間違いない。
ちなみに、スレイマン氏の副大統領就任に伴い、後任のGID長官にはムワド・ムワフィル将軍が任命された。

次に、オバマ米大統領の特使として1月31日にカイロ入りした「フランク・ウィズナー」氏。
これについても新潮社の総合情報誌「フォーサイト」のコラムで春名幹男氏が書かれていたので、重ならないようにしたい。
この特使は、2007年のコソボ紛争の後始末のため、アメリカ特使として国連の機関へ派遣されたこともある。国際紛争のベテランといえる。
彼の父親は、戦時中アメリカの情報機関OSSの長官W・ドノヴァンの指揮下でルーマニア支局長として活躍した。戦後、CIAとは別の秘密工作機関「政策調整局 OPC」の局長となったが、この機関は5年後にはCIAの特別工作局と合併され、「CIA計画本部」となった。ウィズナーはCIA副長官となる。

現在、夏のコミックマーケットに向けて製作中の「イランの情報機関」に関連して調べている、CIAによるイランモサデク首相追い落としクーデターにも、フランク・ウィズナーは登場する。

詳しく調べれば、ウィズナー家には他にも、アメリカの外交・情報機関に関連する人物がいるかもしれない。

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